田んぼで「ぶどう」を栽培してみる(5) ~水圧式で井戸を掘る②~

農業BLOG

前回の記事の続きになります。

田んぼでぶどうを栽培してみる(5) ~水圧式で井戸を掘る①~ | 小林農房

ぶどうの栽培にはたくさんの水が必要です!
そこで小林農房では、自分たちの手で浅井戸を掘ります!!

色々な記事やYoutubeを見ていると、井戸掘りには色々な方法があることがわかりましたが、今回は小林農房的「井戸の掘り方」を紹介していきます。

前回の記事でも紹介しましたが、小林農房では、「水圧式」で井戸を掘ります。

川から、エンジン式ポンプで水を汲み上げ、VP25の塩ビパイプで水を地下に送っていきます。

地下からは、VU100の塩ビパイプの中を、送り込んだ水と一緒に泥や砂などが上がってきます。

ある程度、泥や砂を上げることができたら、「かけや」でVU100の塩ビパイプを打ち込んでいきます。

  1. 穴を掘る
  2. 塩ビパイプ(VP25)に水を送る
  3. かけやで(VU100)
  4. パイプを継ぎ足す

まずは、ショベルカーで穴を掘っていきます。

できた穴に、塩ビパイプ(VU100)を差し込みました。
この作業で、約1mパイプを埋めることができました。

エンジン式ポンプで川から汲み上げ、VP25の塩ビパイプを通して、地下に水を送っていきます。


L字の接続パイプにホースをつなぎます。

水を送ると、土や砂が水と一緒にVU100のパイプの中を通って上がってきます。

写真は、VU100のパイプの上に乗り、自重をかけて塩ビパイプ(VU100)を沈み込むようにしています。しかし、自重で塩ビパイプが沈み込んでいくことはありませんでした。

地層によっては、水圧だけで調子よく土が掘れるところもありましたが、硬い粘土層や、大きな砂利が出てくる部分は、なかなか掘り進めることができませんでした。

写真のポンプが最初に使っていたものです。

エンジン式ポンプの水量が少ないと、全く掘り進めないところが出てきたので、水量のあるポンプに変えました。
また、それに合わせてホースも消防用のホースにして、水量を確保しました。



水量が増えるだけで、VU100のパイプの中を上がってくる泥や砂の量が増え、掘り進むスピード各段にアップしました。

硬い粘土層の攻略には、「初号機」と「弐号機」が活躍しました。

VP25の塩ビパイプに水を送りながら、VP25の塩ビパイプの先端に付いた掘削器具で、底をつつきました。
水圧だけではびくともしなかった硬い粘土層も、つつかれることで、少しずつほぐれていきました。
土なのに水に溶けずに、塊で上に上がってくるところもありました。

個人的には「弐号機」の方が掘れている感覚がありました。

掘り進めると、大粒の砂利や小石のある層がありました。
直径が5㎜~1㎝以上ある砂利や小石は重さがあり、水圧ではVU100の塩ビパイプの中を通って上がってきません。

そこで「肆号機」の出番です。

VP25の塩ビパイプの先には、「初号機」や「弐号機」を取り付け、塩ビパイプとの間に1ℓの炭酸水のペットボトルを加工したものを取り付けています。
水圧で舞い上がった小石がペットボトルの中に溜まっていきます。

写真にあるように、塩ビパイプを引き上げると、ペットボトルの中にぎっしりと砂利や小石が詰まっています。
一番大きなものだと、直径が4㎝ぐらいのものが取れました。全体の量としては、ばけつに2杯程度の小石が取れました。

また、こうした砂利や小石がある層で水が出てきました。

泥・砂・小石などがある程度取れたと思ったら、VU100の塩ビパイプを「かけや」で打ちます。


塩ビパイプが壊れないように、柔らかいプラスチックの板を敷いて打ち込んでいきました。

かけやで打った際に、VU100の塩ビパイプがガンガンと沈んでいく時もありましたし、なかなか沈まない時もありました。

無理をして強く打ち込むと、塩ビパイプの割れにつながるので、十分に注意が必要です。

VU100・VP25どちらの塩ビパイプの長さは2mなので、目標の8mに到達するためには、3回パイプを継ぎ足す必要があります。

塩ビパイプの接着

塩ビパイプをつなぐ時は、基本的には接着剤を使って継ぎます。
手順は以下の通り。

  1. 接着面の油・水分・ほこりなどをきれいに取り除く。
  2. 素早く継手の内面に接着剤を塗布し、次に差し込む塩ビパイプの外面に均一に塗布する。
  3. 挿入後は荷重をかける。
  4. 20分は動かさない。

VU100を継手で継ぐ

VU100の塩ビパイプは接着剤でとめる継手を使います。


地中に埋まっているVU100の塩ビパイプに接着剤を使って継手を付けます。
その後、2mの塩ビパイプを上から継ぎましたが、パイプが2mと長くて、接着剤が固まらないうちに押し込むのが少し大変でした。

VP25をソケットを使って継ぐ

こちらは、ソケットを使って継いでいきます。ソケットを使うことで、伸ばしたり、短くしたり、先端パーツを取り替えたりすることができます。

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聞くところによると、砂地の層に水が流れているとのこと。
水を送っていると、パイプの上から水が溢れ続けるのですが、その水が、すっと引いていく瞬間があります。
その瞬間、砂地の層に到達しているそうです。

5mほど掘ったところで、大きな砂利や小石がたくさん出てきました。
また、藁なども水圧で上がってきたので、水が出ているのでは?と思い、手押しの井戸ポンプを設置して水を汲み上げてみました。


呼び水を入れて、ポンプを動かすと水が汲み上がってきます。
水圧で井戸を掘っていたので、エンジン式ポンプで送った水が出ている可能性があるので、20分程度手押し井戸ポンプを動かし続けました。

水は枯れることなく出続けました!!!

「念には念を入れよ」ということで、エンジン式ポンプで水を汲み上げ続けても、水が出続けるかを検証していきます。

VP25の塩ビパイプに、T字ソケットを使って、水を汲み上げます。
上部には呼び水を入れられるようにしてあります。

エンジン式ポンプを起動したら、十分に呼び水を入れ、空気が入らないようにゲートバルブを閉めます。


1時間ほどエンジン式ポンプを回し続けましたが、綺麗な水が出続けました!

水が出続ける層に達したということで、井戸掘り完了です!!

8mほど掘る必要があるとおもっていたので、思っていたよりも浅いところで帯水層にあたりました。
ブログには書いていない細かなトラブルがたくさんあり、作業としては大変でしたし、思っていたよりも時間がかかりました。

今回も一人ではできないので、小林農房総出でやりました。
やっぱりマンパワーが必要です。
また、強力なエンジン式ポンプをお借りすることで作業効率がグンとあがりました。ご協力ありがとうございました。

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