圃場が整備できたら、ぶどう棚を製作していきます。
今回、ぶどう棚を作るにあたり、滋賀県湖北農業農村振興事務所農産普及課から技術指導を受けました。
ぶどうの棚のイメージ
今回製作しようとしているぶどう棚のイメージです。
直管パイプを60度に曲げて、ジョイント部品を使って上部をつなぎ合わせます。
それを、直管パイプや連結部品をつかって連結させていきます。
今回、製作するのは32.5m×20mの棚になります。
ぶどうの棚を製作するための準備
前回のブログで書きましたが、大量の直管パイプを切ったり、曲げたりしました。
それを圃場に運びこみ、いよいよ組み立てをしていきます。
田んぼで「ぶどう」を栽培してみる(3) ~ぶどうの棚を製作する①~ | 小林農房
ドリルで穴を掘る
ぶどう棚を作りは根気のいる作業が多かったですが・・・
この穴あけ作業が一番きつかったです!!!
ドリルは非常に重く、地面に深く食い込むと抜けなくなることがありました。
地面にしっかりと食い込んだドリルを抜く作業は一人では困難で、地面に強く固着した時には大人3人がかりで行う必要がありました。
穴は、アーチパイプが2本入るように、同じ位置に2つ開ける必要がありました。
一つ目の穴のすぐ横にもう一つの穴を開けるのが難しく、少しコツがいりました。
穴の深さは50㎝程度。浅すぎるとパイプが入り切りませんし、深すぎるとパイプが沈んでしまいます。
ドリルの長さを目安にしながら、穴を開けていきました。
アーチパイプをつくる
外ジョイントでアーチパイプをつなげる
ドリルで開けた穴に、アーチパイプを差し込んでいきます。上部は外ジョイントでつなぎます。
外ジョイントは、アーチパイプの上部をつなぐだけの部品です。
そのため、つないだアーチパイプは固定されておらず、グラグラして倒れるかもしれないという不安がありました。しかし、50㎝地面に埋まっていることもあり、差し込んだアーチパイプが作業中に倒れることはありませんでした。
一番端は、サブアーチを設置する
一番端だけは、サブアーチをつけます。
サブアーチとメインアーチはユニバーサルジョイントで接続しますが、強く接続することができないため、アーチパイプがグラグラ動くことでユニバーサルジョイントが外れやすくなっていました。
そのため、最後に強く締め直しました。
アーチパイプの重なりをどうするのか?
アーチパイプをつなげると、1列目と2列目、2列目と3列目というように重なりが生まれてきます。
穴は平行に2つ開けているので、うまくいくかどうか不安でしたが、外ジョイントのいい加減さがパイプの厚みをうまく吸収してくれているようでした。
クロスワンで隣接するパイプを連結させる
クロスワンでパイプを連結
並び合うアーチパイプをクロスワンで連結していきます。
最初に直管パイプに、地面に埋まる位置に印をつけた部分が、地面の高さに来ているかどうかを確認しながら、連結作業を行います。
このアングルで写真を撮ると、アーチパイプの高さが揃っているのが分かります。
沈下防止策
沈下防止のために、直管パイプの端材をアーチパイプにクロスワンで、留めます。
全てのパイプには付けていませんが、沈下が著しいところを重点的に留めました。
桟や筋交いを入れ、アーチパイプを固定する
アーチパイプの曲がった部分に桟をいれる
この作業はとても大変でした。
なぜなら、直管パイプをベンダーで曲げた際に、パイプが楕円になり、外側に膨らんでしまいました。そのため、クロスワンが奥までうまく入らない状況でした。
少し、強引に金槌で打ち込みながらに作業を進めました。
大事なポイントは2つ
- 直管パイプを地面に置き連結させ、アーチパイプの刺さっているところを目印にして、マジックで印をつけます。その印の所の部分でクロスワンで固定します。
- 連結した後にアーチパイプの方向や傾きを修正するのは難しいので、アーチパイプが地面から垂直になっていることを確認しながら固定します。
トップクロスで棚の頂点に桟をいれる
アーチパイプの曲がったところに桟を入れた時と同様に、直管パイプを地面に置き連結させた上で、アーチパイプの刺さっている所で、マジックで印を付けます。
アーチパイプの頂点を留める部品は「トップクロス」です。
アーチパイプが交わっている部分に桟をいれる
ここまで、アーチパイプの高さを揃えたり、垂直したりしてきましたが多少のズレは存在しています。
交差する位置にを入れるために、アーチパイプの位置やを微調整しなが作業を進めました。
これがなかなかの力作業で、一人うまくできない箇所もあり、とっても苦労しました。
タッピングビスで桟の継ぎ目をとめる
直管パイプを連結させていますが、連結した部分は簡単に抜けてしまいます。
なので、直管パイプが連結している部分を六角ドリルねじで留めます。
妻面に横桟と筋交いをいれる
アーチパイプがクロスしている部分に横桟をいれます。
横桟を入れるのは、北と南の妻面だけです。
長さは現状合わせでやりました。
筋交いも南北の妻面に付けました。
この筋交いに使った直管パイプは、桟を入れたときにできた切れ端です。
ユニバーサルジョイントで留めていますが、ユニバーサルジョイントは抜けやすいので、ビニールホースを切って、ジョイントの部分の下に付けました。
たくさん桟を入れたり、筋交いをいれたりしたので、かなり丈夫になりました。
エスター線を張る
エスター線は、ビニールでできています。
エスター線は、強く引っ張りながら張ることで、たわみができずに綺麗に張ることができます。
アーチパイプに、新梢用の誘引線を30㎝間隔で入れます。一つの屋根に6本張ります。
防草シートを張る
最後に防草シートを張りました。
沈下防止パイプを避けながら、東西に敷いていきました。
幅がちょうど2mなので、防草シートを切らずとも柱と柱の間に敷くことができました。
黒い防草シートの中には、耐用年数が長いものがありましたが、小林農房は白の防草シートを選択しました。
理由は、白の方が光を反射してくれるからです。
ぶどうの発育に必要な光を得ることができます。
控えめに言って、とっても大変でした。
人が揃うのが週末だけだったので、一人でコツコツと進めていた日が多く、完成までに1カ月以上かかりました。
しかし、みなさんの協力によって、無事に完成することができました。
感謝!
田んぼで「ぶどう」を栽培してみる(1) ~小林農房的ぶどうの育て方~ | 小林農房
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