雨水を溜めて屋根に散布!屋根を冷やしてエコライフ!?

工房BLOG

今年の夏も本当に暑い日が続きましたね。
小林農房でも夏バテをしないように、夏野菜をいっぱい食べて元気を補充をしていました。
しかし、この暑さには簡単には勝てず、健康面を考えエアコンを付けて過ごす時間が増えました。
日中の日差しが強く家に熱がこもり、夜になっても涼しくなっていきません。そんな状態でエアコンを付けても効きが悪くなっているのでは?と思ってしまいます。
実際、夜になると家の外は涼しいのに、家の中の方が熱い状況があります。
そこで家全体を冷やせば、エアコンの効き目もあがりエコにもつながるのでは?と考え、家を冷やすシステムを色々と考えてみました。

家全体を冷やすアイデア3選

家全体を冷やすアイデアとして浮かんだのが以下の方法です。

  1. 屋根の上に遮光シートを張って大きな日陰をつくることで、家に当たる日光を遮り涼しくする。
  2. 水が蒸発するときに生まれる気化熱を利用して、家を冷やす。
  3. 床下の涼しい空気を家の中で循環させる。

アイデアは色々と出てきたので、次にどれがベストなのかを考えてみました。
まず①の遮光シートを張るアイデアは、絶対に今よりも涼しくなり、エアコンの効きもよくなるはずですが、家の上に遮光シートを張るのが現実的ではなく、台風の時の強風などを考えると収納できるようにしなければならないことや、春・秋・冬には不要ということで、却下しました。

次に②の家に水をかけて、気化熱を利用して家を冷やすアイデアですが、ネットを調べてみると工場の屋根などで実際に散水しているところもあり、一定の効果がありそうです。

③つめの床下の涼しい空気を・・・と思って床下がみられる床を開けてみましたが、床下の空気が涼しいというのは幻想で、たいした温度差もない感じでしたので、その案は却下しました。

ということでアイデア②の気化熱を利用して家を冷やす作戦でいくことにしました!

構想・設計図

イメージとしては・・・

  • 雨が降って屋根から雨樋を伝って落ちてきた水をにタンクに溜める
  • 溜めた水を、電動ポンプでホースを使って屋根にあげて、スプリンクラーで水を蒔く

さらに、電動ポンプの電源をソーラーパネルで発電したのもので賄おうと考えました。

色々なブログやYouTubeを見たりしていると、雨水を溜める方法などはイメージできたのですが・・電動ポンプやソーラーパネルをどう接続すると良いのかが、全然イメージできません。
何をどうつなげばうまくいくのか分からずに試行錯誤を繰り返しました。

雨水の取水

取水器の仕様

雨水の取水には、「カクダイ 雨水取出し継手」を使用しました。取水器の中にちゃんと網がついていて、大きなゴミは中に入らないようになっています。
また、雨樋も丸樋と角樋に対応できるようになっていています。
【製品仕様】
● 材質:ASA
● 対応樋:丸トイ55・60、角トイ60対応
● 切断寸法:丸トイ100~120ミリ、角トイ125~145ミリ


取水器の取付時に考えたこと

設置するにあたって、一番気を使ったのが取水器を取り付ける高さです。
取水器の説明書には、取水器からタンクまでを蛇腹のホースでつなぐように説明書きがありますが、家の雨樋からホースが伸びている状態がデザイン的に受け入れことができなかったので、塩ビのパイプをつなぐことにしました。
そうなると、絶妙な勾配を付ける必要が出てきます。
ゴール地点の「ろ過装置」の高さから逆算して、雨樋に取り付ける高さを決めました。しかし、勾配を付けたことで、取水器に負荷がかかっているかもしれません。

取水器の取付手順

  1. 取水器の各パーツ(アダプター・フィルター・本体)を取り外す。
  2. 縦樋をカットする。カット寸法…〇丸型:100~120㎜ 〇角型:120~145㎜
  3. アダプターをカットした樋の上の部分に取り付ける。
  4. 本体をカットした樋の下の部分に取り付ける。
  5. フィルターをカチッと音がするまで差し込む。

もちろん、雨樋に馴染むようにつやなしスプレーで塗装をしました。

雨水の貯蔵タンク

貯水タンクが屋根より低い位置にあると、水を屋根の上にまで上げるのに、電動ポンプのパワーが必要になってきます。なので、貯水タンクは地面に置くのではなく、ベランダに配置することにしました。
ベランダはある程度の加重に耐えられる使用になっていますが、日常的に水を溜めておくので、重くなりすぎないように、100リットルを溜められるものを選択しました。


タンクの配管

タンクに3箇所の穴を開けました。
1つ目の穴の位置が、タンクの蓋の真ん中です。取水用の塩ビパイプを入れるために開けました。
2つ目の穴の位置が、タンク正面についてる小さな蓋に穴を開けました。ここは、電動ポンプでホースに送る穴になります。
3つ目が、オーバーフローのための穴です。また、この穴から電動ポンプの電源コードを引っ張り出します。

タンクの塗装

黄色いタンクは存在感抜群なので、スプレーで塗装をしました。
スプレー前には、しっかりとプライマースプーレーをかけ、黒いスプレーがしっかりと定着しやすいようにしました。
形は違いますが、黒いタンクも売っているのでそっちを買った方が良かったかもしれません・・・が、つやなしスプレーをかけたらいい感じになったので良かったです!




水のろ過装置

雨水は屋根を伝ってタンクに溜まるので、結構汚れています。
他の方がアップされている動画や画像を見ていると、結構タンク内に汚れが溜まっていました。
ポンプでスプリンクラーを回していることもあり、大きなゴミがスプリンクラーに詰まったりすると、大変です。
そこで、小林農房ではろ過装置を使って水をきれいにしてから、タンクに溜めていくことにしました。

ろ過装置の中身

一番底には、植木鉢についていた網が敷いてあります。
その上に「木炭」「ろ過する赤玉土」「砂」という順でろ過に必要なものを置いていきました。間には、水槽で使う「ろ過フィルター」をはさみました。
この「ろ過フィルター」だけでもゴミを取り除くには十分なような気もします。

ろ過装置の外側

ろ過装置の外側は「植木鉢」です。
水や土を入れたりしても耐えられるもの・・・と考えたときに、そうした用途で作られている植木鉢が最適ではないかと考えました。
また、植木鉢の蓋にしたのは、植木鉢の下に敷く受け皿です。
通常であれば植木鉢の下に来る受け皿が、上に来て蓋になっているので、しっかりと鉢にフィットするものをホームセンターでじっくり選びました。

散水装置

電気系統の知識は中学生並みですので、12V電源でソーラーで充電しながら、給排水電動ポンプを動かす仕組みを考えるのが難しかった・・・
試行錯誤しながら考えた回路図がこちらです!
8月に設置し、9月現在も稼働しているので、これで大丈夫なはず。
でも漏電などのリスクがあるので、製作する際は自己責任でお願いします。

12Vのバッテリーは、LONGのバッテリーを採用しました。デザインが気に入ったのと、小さくコンパクトだったのでこれを選びました。


給水・排水ポンプは「Tencen」のものを選びました。ワニクリップがついていたり、ホースの先に取り付けられそうな附属品が多いのも魅力ですね。日本語の説明書がついているのもうれしいポイントです。

【製品仕様】
● 入力電圧:12V
● 入力電流:5.4A
● 吐水量:約70L/分(4.5m3/時間)
● 全揚程:3~5m
● 海水対応:可
● 使用水温:0-60度
● 重量:1kg
● 吐水口口径:25mm
● 電源コードの長さ:2.5M
● サイズ:16cm(H)X15cm(W)
● セット内容:ポンプ本体・エルボ・ワニクリップ・散水ノズル・配水管バックル(2個)・ 日本語取扱説明書


タンクの中心辺りから給水しています。塩ビパイプを通してタンクの外に水を排出しています。

完成

屋根の上にスプリンクラーを設置することはプロに任せました。
さすがに梯子をかけて自分で登るのは怖かった。

まとめ

今回、雨水を溜めて屋根に撒けば涼しくなるんじゃない?!という安易な発想から構想を練り始めて、一つ一つハードルを越えながら形にしてきました。
しかし、正直金額と労力に見合うだけの効果があるかと言われると・・・それはないのかなと思います。
でも、やってみたからこそ分かることがたくさんありました!
特に、屋根に上がるは「怖い」ということが一番勉強になりました。下から見上げているときは、これぐらい登れるかな?と思っていましたが、いざ梯子を上っていくと、段々と怖くなっていきます。完全に高所恐怖症ですね。
なので、屋根に上がる必要があるときは、専門家にお任せすることをお勧めします。もし万が一自分で上る時は、十分気を付けて作業をしてくださいね。
とにかく安全第一です!!

秋冬春の間は、タンクの水を屋根の上にあげて家を冷やす必要がないので・・・
せっかく溜めた雨水を有効活用するために、家の周りにある植物に散水できるように、ホースを分岐して、植物への散水システムを作っていこうと思います。

今回、雨水を溜めて屋根に散水して家を冷やす!ということを記事にしましたが、分かりにくいところもたくさんあると思います。疑問に思われたことがあればコメントくださいね。

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